コーヒーの本質は、一瞬の水との出会いによって発揮される。コーヒー豆は焙煎されることによって植物が本来持っていた水分をぎりぎり迄放出し新たな水との出会いを待ち受けているからだ。ほんの少しの水分でも、一気に自分の全てをさらけだす状態になる。雑味も苦味も例外ではない。STREAMERのショットはそれら一切の無駄を省き、それでいて味に空白が生じない。コクとまろみ、深い香りと円熟した酸味、そこにかすかな甘みまでも、見事に調和させながら抽出する。砂糖やシロップも入れなくても、クリームやミルクも足さなくても、さらりと口に滑り込むショットを。土のように黒く、でも空のように清く。優しい気持ちで最上の味になるように願いながら落とす。苦みがあって味があるビターな風味のストロング。癖になるキレの良い苦味とリッチ感。とろみ溢れるフルボディー。STREAMERのショットがMUD（マッド）と呼ばれる所以である。コンビニでは２g、有名チェーンでは４g、本場イタリアでは７g、だがSTREAMERでは２１gの豆を使用しそんなモンスター級のショットを毎杯落とす。極限に引き上げられた豆そのものの実力、スーパーチャージされたコンプレッサー搭載のエスプレッソマシン、そしてバリスタの迷いない豪腕タンピング。ミルクにも負けないストロングスタイルのショットはこれら無しに抽出可能な領域ではないのだ。